どうして痛むのか?虫歯治療直後に痛む歯が心配なあなたに、しみる原因と対処法
歯科医に「この歯の虫歯はもう治った」といわれたものの、まだしみてしまうと心配なあなたに読んで欲しい。「なぜ治療後も歯がしみるのか」について対処法とともに詳しく解説していきます。
目次
治療後に歯が痛む原因5選!
①虫歯治療後にがしみる場合
②治療後からズキズキ痛む場合
③治療後噛むと痛む場合
④治療前も治療後も歯が痛む場合
⑤詰め物や被せ物に段差がある場合
①▽虫歯治療後に歯がしみる場合→神経が過敏になっている状態
虫歯になっているところを取り除き、そこを詰めものや被せもので修復治療した後も歯がしみる場合には、歯の象牙質におよぶ虫歯を切削した刺激で、歯の神経が過敏に反応してしまい充血している状態です。充血は一時的に血管が拡張した状態です。放っておけば治ります。大部分のケースで、これが相当していると思われます。
対処法;しばらく様子を見る
治療後によくみられる症状で、徐々にしみなくなっていく場合がほとんどです。ですから、治療後に歯がしみる症状が出ても心配せずにしばらく様子を見てみましょう。あわてて転医してしまうとその歯を削って中を見るということになりますので、ぐっとこらえて経過観察して下さい。
様子を見ても一向に改善しない場合や症状が悪化している場合には、神経が炎症を起こしていたり露出している可能性があります。その場合には抜髄(神経をとる治療)が必要です。次で説明します。
②▽治療後からズキズキ痛む場合→露髄している状態/虫歯が神経近くまでおよんでいる状態
虫歯が歯の神経近くにまでおよぶ虫歯の場合神経を残して治療するか、神経をとって根っこの治療から始めるか歯科医も悩むポイントですが、歯髄は歯に栄養供給している部分ですので大概の場合は可能であれば神経を残す治療をします。ですが、虫歯が大きく神経に近いところまで削らなくてはならないような状態の場合、治療後に強く痛んでしまう可能性があるのです。神経のある歯の治療は麻酔を効かせてから行うため、治療中は痛みに気付くことがなく、治療後に麻酔が切れてから痛みだします。
対処法;抜髄する
この痛みの場合には歯髄を取り除くことで解決します。歯髄は歯への栄養供給を担っていて「生活歯」と「失活歯」の違いは歯の丈夫さや寿命にも影響があるといわれています。
※ 「生活歯」…歯髄のある歯/「失活歯」…歯髄のない歯
③治療後噛むと痛む場合/かみ合わせに違和感がある場合→咬合性外傷が起きている状態
虫歯によってできた歯の欠損は、金属・セラミック・プラスチックといった歯科材料を使用した補綴物で修復します。セットした補綴物が周りの歯のかみ合わせと調和しておらず強く咬合している場合にはやがて痛みが生じます。
この場合の特徴は歯が痛んだりしみたりするわけではなく、歯周組織が一時的に痛んでいる状態(咬合性外傷)ということです。痛み方は鈍痛なことが多く噛むと痛いなどの症状があげられます。
対処法;咬合調整
補綴物を装着するときには、周りの歯のかみ合わせと調和するように補綴物の高さや形態を調整しますが、調整が不十分で痛みが生じてしまった場合には再度調整を行うことで痛みが緩和していきます。
咬合性外傷の場合、痛みが完全になくなるまでに多少時間がかかることがあります。かみ合わせに違和感があるときには、痛む前に早め咬合調整を行うのがベストです。
また、咬合性外傷によって歯肉退縮が生じたことで、歯根が露出してしまうと一時的に知覚過敏のような症状が起きる場合があります。この場合にもまずは咬合調整が必要となります。
④▽治療前も治療後も変わらず歯が痛む場合/虫歯がしっかりと取り切れていない状態
さっきご紹介した虫歯を大きく削りすぎてしまった場合とは反対に、こちらは虫歯の切削が足りないことが原因となります。歯髄近くにおよぶ虫歯の場合、露髄しないように慎重に虫歯を削っていきますが切削にも限度があるため虫歯をとりきることが出来ない場合があります。その場合には治療後に痛みが生じることになります。
対処法;抜髄して再補綴
こうなってしまった場合にも抜髄が必要となります。そうなる前に歯髄近くにまで虫歯が進行してしまわないようにすることが大切です。
⑤▽詰め物や被せ物に段差や引っ掛かりがある場合→補綴物の適合が悪い状態
デンタルフロスが引っかかる場合や食片が詰まる場合には詰め物や被せ物などの補綴物が歯とピッタリいっていない可能性があります。補綴物と歯との隙間にプラークが停滞し、細菌が出す毒素や酸がの影響で歯がしみてしまう可能性があります。
対処法;再度補綴する
不適合な補綴物をそのままにしておくと歯がしみるだけでなく二次カリエスのリスクが高まりますのでしっかり再補綴することをおすすめします。
まとめ
治療後の歯の痛みに悩む方はしばらく様子を見ても改善されない場合には、自己判断をせずに歯科医に相談してみるべきです。治療前のレントゲン写真や口腔内写真の記録があれば、過去と現在の状態を比較することで痛みの原因が判断しやすくなるものなので、その歯を治療した歯科医に相談する事をおすすめします。
虫歯は進行が大きいほど治療が難しくなり予後も悪くなります。歯髄近くまで進行した虫歯がある場合には、痛くなったり痛みがやんだりといった症状を繰り返します。我慢していればまた痛みが引くからといって我慢しているあいだに虫歯はどんどん進行してしまいます。そうなってしまう前に歯科医院で歯科治療を受けることが重要です。
コメント..