ひどい虫歯でもインプラント治療はできるの?
抜歯を宣告された重度の虫歯があり、今後どうしたらいいかお悩みの方に是非読んで欲しいデンタルインプラントについて。重度の虫歯でも抜歯後にデンタルインプラント治療が出来るのか心配しているあなたのお悩みを解決いたします。
重度の虫歯に出来る治療法
重度の虫歯は、ここでは大きな範囲で深く虫歯菌に侵されていた歯で、保存出来る可能性は低い歯をいいます。
具体的には、根尖まで菌に汚染され大きな根尖病巣となっていて根管治療をしても治癒しない程度の虫歯/虫歯が縁下にまで及んでおり治療困難な虫歯/虫歯に侵襲され歯冠が大きく崩壊している場合(残根状態)/虫歯の侵襲により軟化した歯質が歯肉縁下や歯槽骨付近で破折している場合 などがあります。
この場合、治療の第一選択は抜歯となります。体の一部として機能していた自身の歯を重度の虫歯にしてしまっては、体はやがてその歯を異物とみなします。いわば体に汚染物が刺さっているような状態なのです。ですから、重度の虫歯である場合には抜歯をすることが最善です。
重度の虫歯でも抜歯をすればデンタルインプラント治療はできます!
どんなに重度な虫歯であろうと抜歯して抜歯窩の治癒をしっかり待った後であればインプラントを埋入することが出来ます。虫歯菌によってダメージを受けた歯槽骨や歯肉は重度な虫歯を抜歯し感染源を口腔内から除去することで徐々に治癒していきます。治癒期間はしっかりと骨で塞がるまでが6か月程度と言われています。あわてずに待つことが大切です。実際には抜歯した穴の大きさなどに個人差がありますのでケースによっては、6か月間待たない場合もあります。担当歯科医と相談してみて下さい。
どんな口腔内環境であるかが重要です!
どんなに重度の虫歯であっても抜歯後、インプラントの治療に大きな影響与えることはないですが、重度の虫歯を作ってしまうような口腔内環境や生活習慣では、その後のインプラントや残存歯の寿命が心配です。
丈夫な天然の歯を重度な虫歯にしてしまった口腔内環境ではインプラントも長持ちしません。しっかりとセルフケアやプロフェッショナルケアを続ける必要があります。インプラント治療をすることを機に、口腔ケアのメンテナンスのために歯科医院に通いながら、しっかりと生活習慣を見直して、虫歯にならない清潔な口腔内を保つことを意識することが大切です。そうすることで、インプラントだけでなく残存歯にもいい影響を与え、長持ちする可能性は高まるでしょう。
インプラント治療の前に虫歯治療をすべきです
インプラント治療を行うとき、口腔内に虫歯がある場合には虫歯治療を先に行うのが一般的です。
先に虫歯治療すべき理由①:ほかにも抜歯しなければならない歯があれば、まず抜歯を行い、そこに出来た欠損部位にも一緒にインプラント埋入を行うことで治療期間が短縮できます。そのため、虫歯治療をしながら、状態の悪そうな歯はあらかじめ残せるか否かの判断を行います。
先に虫歯治療すべき理由②:重度の虫歯がある口腔内ではそれだけ多くの細菌が口腔内に存在する状態です。そんな口腔内でインプラント埋入や骨造成術などの外科処置をするとせっかくの無菌状態のインプラントが感染し良くない結果になる可能性が高まってしまします。
先に虫歯治療すべき理由③:咬合に影響を与えない程度の小さい虫歯に関しては、インプラント埋入後や骨造成術後の治癒期間(約6カ月)を利用して治療することもありますが、咬合に影響がでるほど歯冠が崩壊しているような虫歯や痛みが現在ある状態の虫歯、その他緊急性を伴うような虫歯の治療は、埋入術前に虫歯治を行っておく必要があります。
先に虫歯治療すべき理由④:一般的に虫歯治療だけでなく歯周病治療もインプラント埋入や骨造成術などの外科的な処置の前に行っておきます。口腔内がなるべく清潔な状態で外科処置に望めば感染リスクが減るので成功率は高まります。ちなみに歯周病の歯を抜き無歯顎になった場合には口腔内に歯周病の病原菌はいなくなるという有名な学術論文があります。
まとめ
重度の虫歯があり抜歯をしなければいけない状態で、この先どうしたらいいのかとお悩みのかた。重度の虫歯でもインプラント治療を行えるのかとご心配のかた。この記事を読んで少しでも安心していただけたでしょうか。抜歯して欠損してしまった部分を修復する方法はいくつもありますから抜歯をためらわず、まずは状態の悪い歯を体から排除してあげてください。それが自身の健康にとって最良ですので、ぜひ信頼のおける歯科医のもとで治療説明を受けることから健康へのステップを進みましょう。
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