子供を虫歯にさせないために効果的な方法

2018年07月04日 虫歯

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可愛いわが子を虫歯にしたくないものです。しかし、虫歯予防のために子供に「甘いものを一切禁止する」という極端な子育ては、子供の楽しみを奪ってしまいます。心身の成長に好ましくないでしょう。そこで、バランスの良い健康を保ちながら虫歯のない子供になってもらいたいという親のために「子供を虫歯にさせないために効果的な方法」をまとめてみました。

虫歯を作らないために一番重要なこととは?

歯科に勤めていると多くの親御さんと出会います。わが子の歯を虫歯にさせないために定期的に検診に訪れてフッ素を塗布されていく方もいれば虫歯ができて痛くなったら来院するという方もいらっしゃいます。

子供の虫歯予防と家庭環境には深い関わりがあります。そして、乳歯の頃に虫歯の多かった子供は、大人になってからも虫歯が多発する傾向が多いのです。「乳歯だしどうせ生えかわる歯だからまあいいや」などと油断していると、虫歯で困る人生を歩むことになってしまうかもしれません。虫歯のできやすい口腔内環境にしないためには、「正しい知識の教育」が重要なのです。

 

虫歯は遺伝するの?

「私の虫歯は、遺伝なのです。親も歯が悪くて…」という言葉を耳にすることがあります。しかし、虫歯が遺伝する説は、科学的に否定されています。虫歯は虫歯菌による感染症ですから、遺伝はしません。
しかし虫歯は、感染症であると同時に生活習慣病ですので、親の生活習慣が子供に移行することを考えると、遺伝に似た現象が出るので、誤解を受けやすいのです。

つまり、遺伝でなく習慣の移行ですね。実際に臨床の現場では虫歯多発の子供の親御さんの口腔内環境もお子さんと同様に悪い場合が多いのです。

つまり、遺伝はしないものの生活習慣や健康に関する考え方が虫歯になってしまうかどうかを決める要因だと言えます。子供の虫歯予防で意識してほしいのは「正しい習慣」なのです。ポイントを4つにまとめました。

①規則正しい食生活

しっかり定期健診に通っていて、定期的にフッ素を塗布しているいもかかわらず毎回虫歯を作ってくるお子さんがいらっしゃいます。それは食生活に問題があるのかもしれません。

虫歯には日ごろの食生活が大きく関係しているのです。

そこで私たちは親御さんにこんな指導をします。

 

「スナック菓子や甘い飲食物などは決まった時間、同じ時間に摂取しダラダラと食べないようにしましょう。3度の食事とおやつの時間を守って、間食を減らした規則正しい食生活を心がけてください」

 

虫歯の原因となることで有名な糖分ですが、あれダメこれダメと制限してしまうとお子さんも親御さんも疲れてしまいますね。ですから、制限するのではなく摂取の仕方に気を付けると良いです。

 

虫歯と糖分は摂取量ではなく摂取頻度が大きく関係していますからお子さんの好きな甘い物などは食後のデザート、もしくは決まったおやつの時間に摂取するようにし、その後はしっかりブラッシングを行えばバッチリです!

 

乳歯や生えたての永久歯は特に虫歯になりやすいものなので、この虫歯んいなりやすい時期に厳しく管理してあげることや、その後成長した子供に自己管理できるような生活習慣を身に付けさせる努力をしてあげる親御さんを持つ子供は幸せになれそうですね。

②食後の歯ブラシ

食事をした後のブッシングのとき、まだ小さなお子様であればもちろん親御さんがブラッシングしてあげることになるかと思いますが自分でブラッシングが出来るようになってからもしばらくは、親御さんが仕上げの磨きをしてあげてください。

 

年長さんや小学生になると自立心が出てきて、何でも
1人でやりたがるお子さんもいるかと思いますが、できれば永久歯が生え揃う小学生まで仕上げ磨きをやってあげるといいでしょう。

 

しかし実際は忙しくてそんな時間をとれないよという親御さんもいらっしゃると思いますが…あくまで理想です。歯科医院で正しい歯ブラシの仕方などの指導も行っていますからそれを親子でうけるのも1つだと思いますよ!

③定期的な検診

定期的に検診通うことも虫歯予防に大切なことの1つです。規則正しい食生活を習慣付けてしっかり歯ブラシしていても虫歯を100%防げるわけではないのです。万一、虫歯になってしまった場合には早期発見早期治療が大切です。初期の虫歯は痛みを伴わない場合が多く自身では発見が遅れる場合がありますので、歯科医院に通いましょう。

 

定期的な検診で専門家にしっかり虫歯の有無を確認
してもらいましょう。さらにフッ素を塗布することで歯は酸に対して溶けにくくなり強く丈夫な歯になりますのでオススメします。

④フッ素塗布

フッ素は虫歯予防にとても効果的です。歯を丈夫にするだけでなく脱灰された歯の再石灰化を手助けする役割もあります。普段お使いの歯磨き粉をフッ素入りのものに変更するだけで効果は得られますが、歯科医院でさらに濃度の濃いフッ素を定期的に塗布することでより高い効果が期待できます。

歯医者嫌いな子供にさせないためには?

〈歯医者さんに対してのマイナスな印象を与えない〉

親御さんが、やんちゃ盛りのお子様を叱っている場面を目にすることがあります。あまりに言うことを聞いてくれないお子さんに親は「お化け」や「鬼」などお子さんの怖がるワードを脅しに使用する手法に出ます。このようなやり方で、歯ブラシをしないお子さんにも言い聞かせるために(歯磨きをしっかり行うように指示しようとすると)親御さんは子供にこのようなことを言います。

「ちゃんと歯磨きしないと虫歯で歯が痛くなっちゃうよ。虫歯になったら歯医者さんにいかなきゃならないよ。歯医者さんで歯を削ってもらうよ。痛くされちゃうよ。」

ごもっともな意見です。しかし、歯科治療を脅しに使わないで下さい。歯医者さんに行ったことのないお子様が聞いたら【歯医者は怖いところ】という第一印象を持ってしまうのです。これは歯医者嫌いの第一歩です。あくまでも歯科医院は、あなたを健康にする良い所でなのです。悪い子をやっつけるところではありません。

一旦そのような悪い印象を持ってしまったお子さんはなかなか歯医者に行きたがらなくなります。当然です。その結果「痛くなるのを待って、悪化したらやむを得ず歯科医院に行く」という習慣に至る場合があるのです。

子供の頃に受けたトラウマは、大人になっても癒えない場合もあります。大切なので繰り返しますが、歯科医院を脅しに使わないで下さい。歯科医院はあなたが健康になれる良い所だという本当の事を教えてあげて下さいね。

〈痛くなってからの治療は麻酔が効かない〉

痛くなってから治療すると麻酔が必要な処置になってしまいますし、炎症が起きている場合には麻酔が効きずらいので痛みを少し感じるような状態での治療になることもあります。そうすると痛い思い出が「トラウマ」のような記憶として残ってしまい、結果的に歯医者嫌いになってしまうお子さんもいるのです。

ですので、虫歯の有無は定期的にしっかり確認し、虫歯のない歯を歯科医院で褒めてもらいましょう。虫歯があれば早期発見早期治療に努めましょう。

 

〈定期健診を利用して歯医者は怖くない場所だと認識させる〉

定期健診の主な目的として、「虫歯の検査」「歯のお掃除」「正しいブラッシング方法の指導」などがあります。しかし、子供の定期的な歯科検診にはもう一つ大きな目的があるのです。

それは、「歯医者は怖くない場所だと認識させること」です。初めての歯科医院では、虫歯治療をするのではなく、歯の検診などにして、いきなり歯のドリルを登場させない事で、環境に慣れてもらうことも重要です。

実際、当院に定期健診で来られるお子様の中にも同い年の子であっても、怖がり大泣きしお口の中をみることさえさせてくれないお子様もいれば、すんなりと検査や治療を受け入れてくれるお子様もいます。性格の差はあるでしょうが、後者のお子さんに多くみられる共通点は「親御さんの治療に付き添いで何回か歯科医院に来たことがある」という点です。

私どもの経験では、親御さんの定期検診に物心付くころから同行していた子供は、初めての歯科医院での治療でも怖がったり、口をあけてくれないなどの歯科治療非協力児童はいませんでした。

やはり人間だれしも大人子供に限らず、行ったことのないところや経験したことのないものを本能的に怖がってしまうものです。ですから段階をふんで経験させてあげることが「歯医者嫌いにさせない」秘訣といえそうです。

まとめ

虫歯予防で大切なことが、歯ブラシや食生活などの生活習慣と関係していることがお分かりいただけたでしょうか。親子で一緒に生活改善することで、お子さんの歯の健康のみならず、自身の歯の健康を守ることもできるのです。まさに一石二鳥ですね。

また、定期的に検診に行ったりフッ素を塗布したりと、健康に対する意識の向上をすることから虫歯予防は始まるのです。

どれも難しいことではありませんが、習慣を変えることには時間を要しますし底辺なことでしょう。ですが可愛い我が子の健康のためを思えば一緒に頑張っていけるのではないでしょうか。

東京医科歯科大学大学院 若松研究室の出した「子供の生活習慣と虫歯の関連」という論文をみると、このあたりが具体的に書かれていますので興味のある方は一読下さい。http://www.tmd.ac.jp/med/mtec/wakamatsu/research/kenkoukagaku/research/ha6.pdf#search=%27%E8%AB%96%E6%96%87+%E4%B9%B3%E6%AD%AF%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%B9+%E6%B0%B8%E4%B9%85%E6%AD%AF%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%82%B9+%E9%96%A2%E9%80%A3%27

 

 

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