本当に虫歯予防に良いガムとは

2018年09月25日 虫歯

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予防歯科の分野で、虫歯予防に良い効果があるキシリトールガムは知られています。これはキシリトールという糖ですが、これがどのように虫歯を予防するのでしょうか。キシリトールについて詳しく説明していきます。

キシリトールとは?

キシリトールは一期などに含まれる天然にも存在する糖です。砂糖の代用甘味料として、工業的に合成されたものが様々な食品に利用されています。虫歯予防に効果がある糖として歯科大学の教授も「生化学」という科目で学生に教えています。

 

一般の方が、キシリトールと聞くとガムのイメージが強いせいか、スースーするような味を連想される方もいらっしゃるかと思いますが、甘味料であるので味は甘いです。砂糖と比較するとややすっきりとした強い甘みを感じます。カロリーは砂糖よりわずかに高いので、特にダイエット効果はありません。では、虫歯予防効果についてはどうなっているのでしょうか。

キシリトールの虫歯予防効果とは?

上文でも述べましたようにキシリトールには「虫歯予防」の働きがあります。どのようにして虫歯予防するのか、説明していきます。

虫歯菌の代表格「ミュータンス菌」は私たちが食事中で摂取する「糖分」をエサにして口腔内に生息しています。食事によって口腔内に入ってきた糖分と吸収したミュータンス菌はその後、糖を分解して発酵させて酸を産出します。この酸によって歯が溶かされてしまった状態を「虫歯」と言います。虫歯の原因はミュータンス菌が産出する酸だったのです。砂糖を摂取すると菌は酸を産出し歯を溶かすのです。

 

一方でキシリトールを摂取した場合はミュータンス菌はエサである砂糖と勘違いしてキシリトールを代用しようと頑張るものの、キシリトールを分解することが出来ないため酸を作り出せないのです。そればかりか、ミュータンス菌は体力を使い果たして弱っていき繁殖力が低下し、結果として虫歯の原因となる酸の産生はできず、虫歯予防に効果的と言われているのです。

 

製品としてキシリトール飴よりも、キシリトールガムの方が多い理由は、ガムを噛むことで分泌する唾液が、虫歯予防にさらなる効果をもたらすからです。

 

ちなみに、虫歯予防の先進国フィンランドの子供たちは、給食の後に教室に置いてあるキシリトールガムを摂取しているそうです。

 

しかし、こんなにメリットの多い糖を私たち日本人には知られていないのですよね。その理として、キシリトールはあくまでも食品であり、薬剤では内ので、日本の法律である「薬事法」により食品の効果を広告できないからです。

 

しかし、厚生労働省は、保険機能食品制度で、科学的にみて、健康に一定の効果がある食品に政府発行のマークを付けることを許可しました。「このマークのあるキシリトールガムには虫歯予防効果がある」と日本政府が認めたのです。このマークを誇りにガムを購入すれば安心ですね。

キシリトール摂取時の注意事項

注意して下さい。「キシリトールガムを噛めば虫歯にならない」と思いこまないで下さい。
キシリトールはあくまでむし歯予防の「手助け」にすぎないということです。

キシリトールガムを噛んでいれば、虫歯にならないというわけではありませんし、食後にはしっかり歯磨きすることを怠ってはいけません。虫歯予防の基本は歯磨きで歯の汚れをしっかり落とすことですから、キシリトールガムを噛むなどの虫歯予防はプラスαとして考えるべきです。

また、多量に摂取するのも良くありません。体に害のある物質ではないものの、カロリーは高いので肥満に注意して下さい。また、多量の摂取によって軟便を引き起こしたりする可能性があります。

ガムによる摂取の場合には咬耗も心配です。「噛めば噛むほど歯は強くなる」という話は迷信です。実際は「歯は消耗品なので使うほどにすり減っていく」と考えてください。咬合力や就寝時などに行われる歯ぎしりの有無にもよりますが歯は確実にすり減っていくものなのです。ですから、四六時中ガムを噛んでいるとなればそれだけ歯もすり減っていくということなのです。

キシリトールは危険ですか?

いいえ、キシリトールという糖が人体に有害である根拠はありません。しかし、糖を多量に摂取るのは健康に良くありまませんね。量の問題です。どんな食品でも、たとえ塩でも水でもです。それらを非常識な量を摂取すれば体に悪いです。多量に摂取して害が出たとしても、その食品を禁止する必要はありません。適量であればキシリトールに危険はありません。日本の厚生労働省が、食品の有効性と安全性が科学的なデータにより裏付けにより、特定保健用食品のマーク表示の許可を出しているキシリトールガムは、安全といえます。

歯に良いガムの注意喚起

先ほど、特定保健用食品の話をしました。このマークを頼りに虫歯予防効果のあるガムを購入すると良いのですが、日本の一部の有名お菓子メーカーはこれを利用して、「虫歯になってしまう砂糖で作った特定保健用食品でない飴などのお菓子」に似たようなマークを付けたり、かわいい歯のイラストと共に「歯にやさしい」というキャッチコピーをお菓子のパッケージに印刷しているのです。また、「〇〇糖入り」と目立つところに印刷しています。パッケージの目立たない裏側の成分表をみると「ショ糖」とか「砂糖」と書いています。多く入れているものが先頭に書かれています。原料の安い砂糖で作り、わずかな他の糖を混ぜても虫歯予防効果はありませんので、注意して下さいね。

飴以外にもガムにおいても、「キシリトール入り」と書かれたものに多量の砂糖が使われているものもありました。

子供の健康を願う母親に、虫歯になる飴を買わせるという方法をとるメーカーにはがっかりしますね。

「キシリトール」が入っていても「砂糖」「ショ糖」が入っていたり、特定保健用食品の表示が無い製品には虫歯予防効果はないので、誤解しないで下さいね。

保健機能食品制度については、厚生労働省がホームページのPDFで発信しています。厚生労働省のホームページで特定保健用食品の表示の仕方も定められています。

特定保健用食品と称して販売する場合には、下記のように、”保健機能食品”の文字に並列して”(特定保健用食品)”の文字を記載しなければならない。

 

保健機能食品(特定保健用食品)保健機能食品
(特定保健用食品)

 

 

 

 

まとめ

虫歯予防において一番大切なことは、しっかりとブラッシングを行うことや定期健診に通って虫歯の早期発見、早期治療に努めること、正しい食生活をこころがけ間食をなくすことですので、キシリトールの摂取だけでどうにかしようとしないようにしましょう。そして、キシリトールガムを買うとき、特定保健用食品の表示があるカどうか、確認しましょう。キシリトールが入っていても砂糖が多量に入っている製品に注意しましょう。

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