歯についた白い斑点と白い線の原因と目立たなくさせる方法

2019年01月29日 虫歯

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歯に出来た白い斑点や白い線の原因別に白い点を治す方法は違います。白い斑点の原因と治す方法について説明します。原因が虫歯なのか、フッ素の過剰摂取にあるのかで、対処法は変わります。まずは、よく読んで、自分の歯の白い点や白い線の状態と比較してみて下さい。結果的に歯の白い斑点がどれに当たるかは歯科医師の診察を受けて下さいね。

歯にできた白い斑点の原因とは?

歯にできた白い斑点を【ホワイトスポット】と言います。ホワイトスポットの原因は以下の4つが考えられます。

可能性1;初期虫歯

歯の表面が白濁している場合「初期虫歯」である場合があります。虫歯と聞くと黒い穴が開いているイメージをさせる方が多いかと思いますが、虫歯の初期段階はCo(シーオー)と呼ばれる「歯の溶かされ始め」です。酸により歯が脱灰され、歯の表面一層が溶かされて白濁した状態になるのです。この場合の治し方は、「虫歯になる生活習慣を正すこと」です。それで白い斑点が消える事もあります。Co(シーオー)であれば歯を削る必要はありません。

可能性2;酸蝕症

細菌が原因となって生じる虫歯とは別に、酸性の飲食物によって歯の表面が一層溶かされ白濁している歯を「酸蝕歯」といいます。素人では初期虫歯との見分けがなかなか難しいかもしれません。炭酸飲料などの酸によって歯の表面が溶けた状態です。平滑面が広い範囲で白くなったり、歯肉の付け根に沿った歯の部分に白い線ができる場合が多いです。

可能性3;エナメル質形成不全

生まれつきの病気や幼少期の栄養障害などによって、エナメル質が正常に形成されなくなる病態です。病態といっても、どんどん悪化する重大なものではなく、進行することはありません。歯に白い斑点を作ってしまったり、形がおかしくなったりすることもありますが、さらに悪化して悪くなるものではありません。これ以上の心配はしないで下さい。

原因は遺伝や幼少期の永久歯を作る期間での生活が関係しているようです。エナメル質形成不全の中には、歯の白い斑点だけでなく、茶色いものがあったり、歯の実質欠損を伴うものもありますので、それに当たるかどうかは、自己判断をせずに歯科医院での診査診断が必要です。治療法は、その程度によって様々です。自分の状況と自分の希望によって治療法は変わります。また、治療が必要ない場合も多いです。

 

可能性4;斑状歯(歯牙フッ素症)

班状歯は、「はんじょうし」と読みます。英語表記ではmottled teethです。Mottledとは斑点のことで、実際に歯に白い斑点が見られます。エナメル質形成不全による歯冠の表面に生じる白濁を主体とする歯の異常をいいます。この「フッ素性斑状歯」は、「可能性3;エナメル質形成不全」の一種ですが、他の病態と違い、フッ素の摂りすぎで起こる歯の形成不全ですので、ここに分けて解説します。

フッ素が原因の班状歯は、歯の形成に合わせて左右の歯に対称に表れるのが特徴です。つまり、「右の1本だけに白い縞模様があり、左の同名歯は正常である。」という事はないのです。左右の歯に同時に起こります。

歯の形成期にフッ素化合物を多く含む地域の井戸水などで育つと、エナメル質形成が阻害され,石灰化が十分行われないのが原因で、歯に横しま模様ができたりします。軽度の場合は,不透明の白濁した点や線としてエナメル質表面が白くなります。重度になると,エナメル質の一部の形の異常が出たり、象牙質が茶褐色に着色し、白と茶色の縞模様になる事もあります。これは、特に前歯の表面に見られます。

可能性1の虫歯が原因の白い斑点では、フッ素塗布が効果ありますが、逆にこのケースでフッ素塗布をしても害はないものの改善することはありません。

どのような治療は必要でしょうか?

初期虫歯である場合→フッ素で再石灰化を図る

歯に穴の開いていない状態である初期虫歯ですので、削って治療する必要はありません。しかしながら脱灰され白濁している状態の歯です、ここでしっかり対処するかどうかで、虫歯がその後進行するか、逆に治るかが決定されます。これ以上虫歯が進行してしまわぬようにしっかりとブラッシングするだけでなく、フッ素を使用して歯の強化をはかり、再石灰化に努めましょう。歯科医院へ受診して指導を受けて下さい。保険治療で対応できます。

酸蝕症である場合→フッ素で再石灰化を図る/食生活を見直す

食物の含む酸によって脱灰されてしまった歯も再石灰化によって修復する必要があります。
脱灰によって白濁している歯の表面は虫歯菌に弱く脆い状態です。再石灰化させ再び強い歯にすることが必要です。歯を再石灰化させるには食生活の改善は必要です。またフッ素の有効利用も大切です。

エナメル質形成不全である場合→歯質上は何の問題もありません。
審美性を気にしないのであれば治療の必要性はなくしっかり自分の歯として使用できます。

 

 

 

審美性を回復したい場合

一度溶かされてホワイトスポットができてしまったエナメル質はその後しっかりと再石灰化しても消えません。エナメル形成不全の場合にも同じことが言えますが、機能自体に問題はないものの、審美性が気になる場合には、ホワイトスポットが自然に消えることはないため何らかの処置が必要となります。

現在主に行われている処置は以下の通りです。ただし、原因や条件によっては効果が得られない場合などがあります。

1、オフィスホワイトニング

ホワイトスポットに合わせて歯冠色をトーンアップさせることで目立たなくなる可能性があります。ホワイトスポットを避けて、ホワイトスポット以外の部分を選択的に胞博します。歯を部分的に漂白する方法ですので、ホームホワイトニングではできず、歯科医院で行なうオフィスホワイトニングが向いています。

歯冠色が元々白い人よりも黄色味のある人の方が効果を実感しやすいと思いますが、色のコントロールは難しいので簡単な方法とはいえませんが、歯科医院で相談してみて下さい。

 

 

 

2、コンポジットレジンでの修復

ホワイトスポットを切削し、そこに歯冠色のレジンを詰める方法です。
確実にホワイトスポットを消すことが出来ますが、それと同時に歯冠を切削することになります。比較的安価な治療で麻酔をする必要もないので容易に受けられる治療法ですが、レジンという材料の特性上、すり減りや表面の荒れ、着色や変色といった問題が生じます。取れてしま可能性もありその都度やり直しが必要になるものの、短期間でできる治療で人気があります。歯を削るデメリットがある事を理解してから治療を依頼するべきです。

 

3、ラミネートベニアでの修復

少しですがこれも歯を削ります。歯冠の唇側のエナメル質を一層削りそこに薄いセラミックを接着する方法です。
女性の皆さんであれば付け爪のようなものと考えるとイメージしやすいかもしれません。
こちらの治療法もホワイトスポットを取り除くことが出来、確実に審美性を回復させることが可能ですが、エナメル質の切削が必要となります。また、コンポジットレジンと比較してセラミックを使用するラミネートべニアはその分金額も高くなります。コンポジットレジンと比べ、表面の劣化や色変化に対するリスクは少ない方法で、比較的美しく仕上がる方法です。

4、薬品を塗布して斑点は薄くなることを期待する(アイコン)

ホワイトスポットが浅い場合にはアイコンという薬品を使用して歯の表面に特殊なコーティングを施すことが出来ます。そうすることで白濁していたホワイトスポットに光沢が生まれ目立たなくなります。完全にホワイトスポットを消すことは難しいですが、エナメル質の補強効果もあるとあって人気の高い治療法となっています。

 

まとめ

1番大切なことはよく噛めて歯を長持ちさせることです。白い点を気にして、ホワイトスポットを削っり、色の良い人工材料に代えるのが正解か、それとも気にしない事にするのが正解か?これはその人の気持ちが決めることです。

歯を削れば、将来二次的な虫歯になるリスク負う事も考えておかないといけません。多くの歯科医は、「できるだけ歯質を削らないことをおススメ」すると思いますが、どうしても審美性が気になる方は歯を削ってセラミックの歯を張り付ける方法も決して間違いではありません。信頼できる歯科医師とよく相談して決めて下さいね。

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