気になる歯肉の黒ずみ・・・。歯科医院でピンクに出来ます!!
近年オーラルケアに関心をもつ人々が増加傾向にあり「ホワイトニング」の知名度がぐんと上がってきました。皆さんもご存じの通り、ホワイトニングは薬液によって歯を白くできますが、その術後に美しい白い歯を手に入れた後で気になるのが黒っぽい歯茎の色だと思います。ホワイトニングをして歯が白くなった人は、色のコントラストの差によって、余計に歯肉の黒さが目立ってしまうものなのです。
ニコッと笑ったときに歯茎が黒いと気になりますよね。もしも、あなたが、「黒い歯肉を隠したいために笑わないようにしている」とか、「スマイルを手で覆い隠してしまう」なら大変にもったいない事です。周りの人にあなたの笑顔を見せられないのは、とても残念なことです。
審美歯科での言葉に、「ピンクスコア」という言葉があります。美しい歯の為には「美しい歯の白」と「美しい歯肉のピンク」の調和が必要なのです。
そして、この美しいピンクは、歯肉が黒いと悩んでいる人でも歯科医院に行き相談
すれば、意外に簡単に改善出来るものなのです。
しかし、治療に使う薬や機材の関係もありますので、歯科医院に行った日に治るというものではありません。そのあたりも含め、「歯肉をピンクにする方法」を解説いたします。
なぜ歯肉は黒くなるのか?
1.メラニン色素沈着
歯茎の表面は上皮で覆われています。人体の皮膚とが日焼けをするように、歯茎でも表皮最下層の基底層にメラノサイト(色素細胞)が生成されることがあり、結果黒ずむことになります。原理としては日焼けと一緒です。このメラニン色素によって黒くなった表面の組織を除去することで比較的簡単にピンク色の歯肉にする事が出来ます。
【タバコの刺激による色素沈着】
まず初めに浮かぶ原因はやはり喫煙でしょう。他にも、喫煙は歯周病を促進させたり
歯を黄色くしたりするなど、口腔内に大きな影響を与える科学物質です。親が喫煙者の場合、同居の小学生の歯肉にはメラニン色素の沈着が見られ、黒い歯肉が観察されます。このような理由で歯肉が黒くなった子供が、もし自分の歯肉の黒さを気にしているなら、これは気の毒なことですが、喫煙には、周りの人を巻き込む悪影響があり、同居の家族にも影響を与えることもあります。
【紫外線の刺激による色素沈着】
単純に日焼けしてしまっているケース。歯肉も皮膚同様、メラニン色素の作用で日焼けします。メラニン色素が少ない白人と違い黄色人種や黒人にはメラニン色素が多いので、強い紫外線に長時間当たっていると黒ずんできます。笑うと歯肉が大きく露出する「ガミースマイル」の人は、日に当たりやすく、見える歯肉と共に黒い歯肉を気にしている人もいるようです。
2.メタルタトゥー
歯に金属の被せ物をしている場合に考えられる原因です。これは、メラニン色素は関係ありません。全体的に黒ずんでいるケースと違って、被せ物と歯茎との境目や一部のみが黒ずんでいる場合には金属片の混入が原因である場合があります。この違いは歯科医師ならに判断できます。
被せ物や被せ物の土台に使用している金属をドリルで切削したときに細かい削りかすが、歯肉に刺さり、中に入り込んでしまったり、そうでなくても、歯を被せた後でこの金属から金属イオンが溶け出してしまい歯肉にタトゥーをいれた状態になり、歯肉が黒く見えてしまいます。
3.歯周病
歯周病は「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれている程症状は徐々にゆっくりと進行していきます。最初のうちは自覚症状がほとんどなく、症状として現れた時にはすでに重度になっているケースが多いのです。
そんな歯周病の自覚症状の一つに、歯肉の黒ずみが挙げられます。歯周病が進行すると歯肉が赤黒く腫れたり、内出血のような色に変化します。綺麗なキンク色をしておらず、赤紫色になっている場合があります。
この様な症状がみられる場合には、例え痛みが無かったとしても早急に歯科医院を受診される事をお勧めいたします。
4.遺伝的要因
人の肌色や髪色には個人差がある様に、歯肉の色にもある程度の個人差があります。歯茎の黒ずみを落とす方法はいくつかあるものの、どれも共通して「本来の色を取り戻す」治療の為、元々の色を変える事は困難です。「歯肉はピンク色ほど良い」とか、「薄い色ほど美しい」という思い込みはなくして、本来の自分の色を愛することが大切だと思います。
歯肉の黒ずみをキレイにする方法とは?
1。薬品を使用する方法
薬剤を使って歯肉をピンク色にする方法は、メラニン色素の沈着が原因の場合に有効的です。皮膚が日焼けした時、皮がむけて白い肌に再び戻りますよね?それと同原理です。
フェノールという薬品をメラニン色素がある部分の歯肉表面に一層塗布します。この薬品は歯肉に浸透します。反応が進み過ぎないようにエタノールを使用して反応を止めます。
必要なら数回繰り返します。薬を塗るだけなのでほとんど痛くありません。痛みに過敏な方には方面麻酔を塗ることもありますが、ほとんどの場合で麻酔は必要ない程度です。
フェノールの作用を受けた歯肉はその表面が白く変色し、その部分が1週間程度で黒ずんだ歯肉ごと剥がれます。その下にはすでに新たな組織が生まれていますので、出血などはありません。メラニン色素ごと脱落した上皮が無くなった後の組織は、最初赤っぽい色をしていますが、徐々にきれいなピンク色の歯肉に変わります。
メラニン色素の量により、1~3回程度で明らかな効果が実感できます。一時的に歯肉が白っぽくなっている間は、わずかなヒリヒリ感を感じる場合もありますが施術中の痛みはないので、誰でも気軽に受けられる施術です。
【術前写真】
【術後写真】
2.メタルの補綴物をセラミックなどに交換する
補綴物の金属は研磨すると銀色に反射しますが、セメント接着面は研磨をしませんので、酸化膜が付いた黒い状態です。歯肉が薄い人の場合、その部分が透けて歯肉が黒っぽく見えることがあります。
そのような場合に非金属の白い材料に入れ替えることで、問題が解決することがあります。主に使用される材料は、ジルコニアクラウンやイーマックスといったセラミック人工歯です。
【術前】
【術後】
【補綴物(セラミッククラウン)】
また、歯の上部構造の交換だけでなく、メタルコアの黒さが原因の場合は、その金属を除去し、フイバーコアに変えることがあります。
歯根自体の黒変が薄い歯肉を介して透けている場合には、歯肉を厚くするための歯肉移植を行うことで黒い歯根が透けないようにします。
3.レーザー治療またはメスで金属片の切除治療
補綴物の金属が歯肉に入り込んだことが原因で歯肉の一部が黒くなっている場合に有効です。
黒ずんでしまっている箇所をレーザー機器や手術用メスを使用して除去します。
レーザー機器使用の場合には、黒ずんだ表皮の上からレーザー光を作用させて蒸散させます。
炭酸ガスレーザーという種類を使えば、一時的に施術部は黒くなりますが、1週間程でキレイになります。
深い場合には麻酔をします。痛みはほとんどどなく、気軽に受けられる施術です。
手術用メスを使用の場合には、歯肉に局所麻酔をした後に黒ずんだ部分を切除します。
施術範囲が大きくなければそれほどの出血もなく特に痛みも感じない簡単な施術です。
4.歯周病治療
歯周病によって赤黒く腫れてしまっている歯肉は、歯周病治療が必要です。歯周病菌によって深くなってしまった歯周ポケットの深くには多くの歯周病菌が住みついる状態です。積極的な歯周病治療をしなければ、歯周病は進行していく一方です。
しっかりと歯ブラシをしても残念ながら奥深くの細菌を除去するのは困難です。歯周病で深くなってしまったポケットの箇所には歯ブラシの先端が届かないのです。また、歯肉の下にまで付着している歯石は、歯ブラシでは取れません。
これらは専門家の助けを借りるしかありませんので、早めに歯科医院を受診される事をお勧めします。
まとめ
「気になる歯茎の黒ずみ」の原因は、自己判断しないで、歯科医師の診察を受けて下さい。4の歯周病治療以外、すべての処置が基本的に保険外治療となりますが、治療にかかる料金は歯科医院によって異なります。担当の医師としっかり相談して施術を受けるかを判断しましょう。黒っぽい歯肉が、健康的なピンク色になるとうれしいですね。
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