痛くなければ虫歯じゃないはウソだった!虫歯を進行別に解説します!

2018年04月09日 虫歯

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「痛くないから虫歯じゃない」と考えているあなた、それは誤解です。「痛かった虫歯を我慢していたら痛くなくなった」のを「治った」と考えてしまう人に読んで欲しい記事です。

「痛み」=「虫歯」ではありませんので、我慢すれば虫歯が治ることはありません。では、ずっと放置された虫歯はどうなってしまうのでしょうか?
今回は虫歯の進行度合い別にその状態や症状、治療法などを解説していきます。

虫歯が痛む原因

虫歯の痛む原因を知る前にまず、歯の構造から理解していきましょう。歯はかたい一塊ではなく3部構造から形成されていることをご存知ですか?一番表層を「エナメル質」といい、その内部には「象牙質」があります。さらに内部には「歯髄」があり、この神経は根尖(歯根の先端)から分布し脳へとつながっているのです。

痛みのある虫歯は、外から2番目の層であり象牙質内にある虫歯です。象牙質の中には神経組織がないのですが、顕微鏡レベルで象牙細管というトンネル構造があります。神経方向に細かい穴が開いているイメージです。外から来た刺激はここを通って歯髄の神経を刺激するのです。

虫歯が深いほど痛みを感じる歯髄との距離は縮まりますので、痛みも大きくなると思われがちですが、実際には象牙質にある象牙細管の状態や歯髄の炎症の程度が痛みの強さに関与します。ですから、「まだ痛くないから大丈夫」とは思わないで下さいね。では、歯の構造と特徴から見ていきましょう。

  1.  エナメル質:歯の表面を覆っているエナメル質は体のどの部分よりもかたく、とても丈夫です。透明感があり滑沢なので汚れが付着しにくいのも特徴です。
  2. ② 象牙質:エナメル質の内側をいい、エナメル質ほどの丈夫さはない。そのため、いったん虫歯菌が侵襲してくるとその進行速度はエナメル質に比べて早くすすみます。また、表面に象牙細管という穴が無数にあいていて、エナメル質ほど滑沢でないため汚れが付着しやすいのも特徴です。
  3. 歯髄:エナメル質や象牙質に守られてもっとも歯の内部にあるのが歯の神経「歯髄」
    です。脳に痛みを伝達する神経細胞がありますし、血流もあります。歯がズキズキ痛むのは血液が流れ込む圧力で神経細胞が圧迫されるからです。これは虫歯の痛みです。健康な歯髄は血圧で痛むことはありません。

 

 

虫歯になる工程

口腔内にひそむ虫歯菌(ミュータンス菌やラクトバチラス菌)は食物中の糖分を吸収分解し、酸を生成します。虫歯とは、この酸によって溶かされた歯のことをいい、溶かされている程度によってC0~C4までの5段階に分類されます。

●虫歯の進行
歯についた細菌(プラーク)中に虫歯菌はひそんでおり、食物中の糖分を分解して酸を生成し歯を溶かします(脱灰)。まずは歯の表面を溶かしていきます(C0)。この段階(
脱灰されただけの段階)であれば再石灰化を促して自然治癒させることができます。

ですが放っておくとその後、エナメル質に穴があき(C1)さらに進行していくと内部の象牙質にまで侵襲してきます(C2)。ここまでくるとしみたり痛みをともなうことがあり、虫歯菌がついに神経(歯髄)に到達すると(C3)ズキズキと痛みだします。
それを超えると神経が死んでしまい痛みを感じることさえなくなりますが、ここで注意して頂きたいのは「痛みがなくなったからといって、虫歯が治癒したわけではない」という点です。

この段階を通り過ぎると歯の頭(歯冠)はすべて溶かされ歯の根っこだけが残っている状態(C4、残根)になり、抜歯以外の治療方法がなくなります。

早めの段階で虫歯に気付き、早期治療することが重要なのです。
段階ごとに特徴や治療方法が異なるので下記で詳しく説明していきます。

虫歯の進行具合5つ詳しく紹介

虫歯の進行は大きく分けて5つのステージに分類されます。
① Co:要観察の歯
歯冠が白っぽくなるもののまだ歯に穴は空いていない状態。虫歯になりかけの歯ですので放っておくと進行し虫歯になってしまいますが自然修復可能な段階です!

② C1:初期の虫歯
歯のエナメル質に穴が空いてしまった状態。殆どの場合麻酔せずに治療出来る程度の虫歯です。
治療の方法としてはCRが一般的です。

③ C2:象牙質に及ぶ虫歯
エナメル質の更に奥にある象牙質にまで及んだ状態。麻酔しての治療が必要です。
自覚症状として熱いもの冷たいものがしみたりします。
治療の方法としては、C1同様CRで対応もしくは虫歯が広い範囲に及んでいれば人工補綴で修復することになります。

④ C3:歯髄(神経)にまで達した虫歯
この程度まで及ぶと食事時で無くても常に痛みを伴ったり、疼くような感覚が現れます。
抜髄(神経を取り除く治療)が必要になります。麻酔が効きずらい場合があります。

⑤ C4:歯質が失われた状態の虫歯
進行し続けた虫歯は殆どの歯質が崩壊し根っこのみが残っている様な状態(残根)。
このレベルになると歯を残すことは難しく多くの場合は抜歯となります。

 

 

 

 

まとめ

虫歯が進行するほど治療の難易度は上がりますし、治療に必要な時間やお金も増します。
何事もそうですが、やはり「早期発見」「早期治療」が大切になります。歯がしみたり、痛んだり、違和感を感じた時には、早めに歯医者さんで診てもらうことをオススメします。

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