お茶が大好きなあなたが注意すべき歯のケア

2019年01月11日 虫歯

tea-tooth-decay-prevention01

緑茶には虫歯予防効果があるという仮説について解説したいと思います。一般的に日常的にお茶を良く飲む人と清涼飲料水を頻繁に飲む人では、お茶を飲む人の方が虫歯は少ないはずです。しかし、だからといってお茶は虫歯予防効果があると言えるのでしょうか?
また「茶カテキン」には、様々な効果、効能が確認されており、茶カテキン
の中で最も強く抗菌作用を有するEGCg(エヒ.ガロカテキンガレート)においては、虫歯の原因菌であるS.mutansを0.05~0.1mg/m1の濃度で生育阻止作用が確認されています。さらに茶カテキンは、歯垢付着抑制効果、口臭抑制効果があるという研究結果あります。だからといって、日本茶には「虫歯予防効果がある」といっていいのでしょうか?このあたりを解説していきます。

お茶の知られざる作用とは?

皆さんご存知のお茶に含まれる要素の代表格である「カテキン」には高い抗菌作用があるといわれています。

風邪予防にお茶うがいが効果的と言われているのもこのカテキンの作用のおかげと言えるでしょう。そんな効果のあるカテキンですが本当に虫歯予防効果があるのでしょうか?

 

お茶で虫歯予防が出来るの!?

お茶が虫歯予防に効果があるかと聞かれれば、「効果が全くないわけではないが大きな効果は期待できない」といったあいまいな返事になってしまいます。

お茶に抗菌作用があるとしてオススメされているのは、あくまで抗菌作用のある飲料水としてのことです。虫歯予防に効果的なオーラルケアグッズであれば、抗菌作用効果どころか、もっと効果の高い殺菌作用のある製品があります。

お茶はあくまでも飲料水の中で抗菌作用があるというだけなので、これらのオーラルケアグッズとの殺菌作用と比較すればさほどの効果がないことがわかります。

茶カテキンの効果を調べる実験では、非常に高濃度の茶カテキンにおいて効果があるものの、薄いものでは効果が確認できなかったとする論文が大半です。

特別な方法でお茶から抽出した液体からカフェインなどを取り除き、実験をしていきます。通常のお茶の効果ではない事を確認して下さい。言い換えれば、茶カテキンの効果=日本茶の効果ではないのです。お茶の飲み過ぎはカフェインの過剰摂取となる危険がありますので慎重になって下さい。

さて、カテキンに歯抗菌作用があるにせよ、お茶に入っている量だけでは抗菌力も弱く、虫歯の予防にはつながらないというわけです。ましてや、「虫歯な予防効果を期待してお茶で頻繁に口をすすぐ」というのは止めた方がいいです。唾液を流してしまうからです。お茶よりも唾液の方が虫歯予防効果も口臭防止効果の方がはるかに高いです。繰り返しますが、頻繁な「お茶うがい」は唾液を洗い流してしまいますのでやり過ぎに注意して下さい。

ですが、水分摂取として、甘い飲料水や炭酸飲料水を摂取していた習慣を、糖分の含まないお茶に変更するだけで虫歯リスクに良い変化が起こりますので、お茶が虫歯予防に貢献しているという一面もあるのです。

 

茶カテキンによる口臭および歯垢への影響

「茶カテキンによる口臭および歯垢への影響Effects of Tea Catechins on Oral Odor and Dental Plaque.」という論文があります。茶カテキンが虫歯菌や歯周病菌を減らし、歯への歯垢付着抑効果、口臭抑制効果が確認されたという論文を紹介しますが、この論文は権威ある大学による調査結果ではありません。

そして、これはバイアスがかかっている可能性があります。バイアスのかかった研究とは、結果ありきの先入観があるとか、色眼鏡で見ている研究という意味です。「論文を書いた研究者は「湘南短期大学歯科衛生学科の金子ケイ子氏」を筆頭とした複数の歯科衛生士学生ですが、共同研究者に(株) 伊藤園中央研究所の研究員が4名入っています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsotp1982/12/3/12_3_189/_pdf/-char/ja

科学の世界では、特定の営利目的の企業をスポンサーとし、その会社の利益になる論文を書いた場合は疑いをもたれるものです。たとえば、「コーヒーは健康に良い」という研究はコーヒーお大手のネスレが膨大な研究費を出したりしています。お金をもらって調査する研究者はついついスポンサーに有利な内容にしてしまうという人情が働いてもおかしくはありません。

他人の論文にとやかく言う気はありませんが、湘南短期大学歯科衛生学科は現在廃校しています。現在も存在する権威のある研究とは別に考えなければいけません。

 

お茶を選ぶ時の注意点!

お茶に抗菌作用があるとはいえ、カテキンが含まれるお茶であれば何でもいいというわけではありません。「無糖)のお茶というのが絶対条件なのです。

虫歯予防において重要なのは「虫歯菌の活動を抑制して虫歯菌を減らすこと」です。そこでポイントとなるのが「無糖」であるということなのです。虫歯菌は糖分をエサとして活動をしています。ですから、虫歯予防のためにと摂取しているお茶に糖分が含まれていては、かえって虫歯菌に餌を与えて活動を助けてしまう状態になってしまうからです。

水分補給する時にはお茶に限らず、糖分の含まれていないものをチョイスすると虫歯予防につながりますので実践しましょう!

まとめ

お茶に含まれる茶カテキンは少量ですので、お茶をちょっと飲むくらいでは、実験室において特別な方法で抽出した高濃度の実験結果と同じ「茶カテキンの虫歯予防効果」は期待できそうもありません。
虫歯予防効果が証明されている唯一の薬剤はフッ素です。虫歯予防をしたいならお茶に頼らずに、歯科医や歯科衛生の指導を信じて、それを実践して下さいね。

コメント..

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント
お名前 *
メールアドレス *

PAGE TOP