その口臭、もしかしたら虫歯が原因?歯周病?それとも…?!
気になりだしたら止まらないニオイ
ふとしたときに気になる自分の口のニオイ。一度でも友達や彼氏・彼女に「口が臭いよ!」なんて指摘されたら、トラウマになってしまう方もいるでしょう。にんにく料理を食べた後にガムをかむ程度なら普通ですが、最近は常にミントタブレットを口にしていないと落ち着かないという人も少なくありません。
気になりだしたら、ますます気になるのが口臭です。体臭は汗のケアなどである程度は抑えられますが、口臭は意外と対処法がわからずに苦戦する方も。本来は、人間も動物も、ニオイがあるのは当たり前のことなのですが、一度気になるとノイローゼのように思いつめてしまう方もいるようです。当院に口臭の相談に来られる方でも、機械で測定すると数値的にそこまでニオイが強くない方が多くいらっしゃいます。
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虫歯やプラークが原因になっている口臭
自分の口臭が気になって仕方がないという方は、一度歯科医院へ行ってみることをおすすめします。口臭の原因が、もしかするとあなたの虫歯にあるかもしれないからです。虫歯の中でも、特に神経を取らなければならないほどひどいもの。膿が出ていたりすれば、それだけでにおいます。そもそもそんな虫歯は治さなければ後で大変なことになりますから、一日でも早く治療してもらいましょう。
また、あまり大きな声では言えませんが、ちょっとヘタクソな治療をされてしまった歯が原因になっている場合もあります。虫歯の治療で銀歯を被せたときなど、ぴったりときれいに被せられなかったことで隙間ができてしまい、そこへいつも汚れがたまってしまうことがあるのです。食べ物の汚れカスは歯垢(プラーク)を増殖させます。そのニオイがそのまま口臭となってしまうわけです。
ひどい歯周病になると、部屋中ににおう場合も
歯周病が原因の口臭もあります。歯周病は歯に穴があく虫歯とはまた違って、歯茎が下がり、歯の土台となる骨が溶け、ついには歯が抜け落ちてしまう疾患です。そうなる前に早期発見、早期治療が重要となりますが、口臭が気になる方にはそうした歯周病が見つかることがあります。
悪い菌ほど臭いニオイを出すものです。急激に発症する歯周炎「急性壊死性潰瘍性歯周炎(きゅうせいえしせいかいようせいししゅうえん)」にかかった方などは、部屋中にニオイが充満するほどになることがあります。そんな場合もすぐに治療が必要ですから、いち早く歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
舌専用の「舌ブラシ」、使っていますか?
「舌」が原因になっている口臭もあります。最近では舌ブラシもだいぶ一般的になってきましたが、まだまだ「歯は磨くけど、べろは磨かない」という人が多いようです。鏡で自分の舌を観察してみましょう。もし、表面が白くなっているなら要注意。それは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれ、菌が繁殖して舌に苔が生えたような状態になっているものです。
舌苔が口臭のもとになっている場合は、まず舌磨きから始めましょう。「歯ブラシで一緒に磨けばいいかな?」と考えている方、どうか専用の舌ブラシをご用意ください。歯ブラシは舌ブラシよりも毛先が長く硬いので、汚れがきちんとかき出せないばかりか、舌を傷つけてしまう恐れもあります。舌ブラシは歯ブラシよりも横幅が広く、奥まで入れやすいので、磨きやすさにも雲泥の差があります。
実は、口臭になる一番の原因は「唾液」の状態
いろいろな口臭の原因を説明してきましたが、私の経験上、実は一番の原因は唾液にあります。唾液の分泌量が少ないことが原因でニオイが発生してしまうケースです。虫歯や歯周病がひどい方でも、唾液の分泌量が多いと口臭も少し軽減されるほど、唾液には口臭の抑制力があります。唾液の分泌量は、年齢とともに少なくなる傾向も。口が乾くからとたくさん口をゆすいだり、しょっちゅう水を口に含んだりすることで唾液が洗い流されてしまい、かえって口臭を強くすることもあるので注意が必要です。
さらさらした唾液は、口臭の原因となる嫌気性菌を抑えます。しかし唾液の分泌量が少なく、ネバネバしたような状態になると、口臭も発生してきます。虫歯や歯周病がなくても、唾液の量が少ないことでニオイが出てしまうのです。「私は唾液の量が少なくて乾きやすいかもしれない」と思った方は、唾液腺を刺激してみるのも1つの方法です。唾液を分泌している唾液腺は、ちょうど耳の下あたりにある「耳下腺」、舌の下にある「舌下腺」、顎の下にある「顎下腺」があります。そのあたりを押してマッサージすると唾液が出てくるので、舌で口の中にまんべんなく広げてあげましょう。それだけで、機械で測っても口臭の数値が下がる方が多くいらっしゃいます。
口の中以外の病気が原因となっていることも
口臭の原因が口の中だけではないことも、多々あります。たとえばのどの病気や胃の病気。胃ガンや糖尿病なども、口からニオイが発生することが知られています。歯医者が口の中を診て、そこに原因がない場合、そうした病気を疑います。もし涙も出にくいというときは、自分の体を自分で攻撃してしまう自己免疫疾患の難病「シェーグレン症候群」の可能性もあります。また、精神的に緊張することで口が乾くという方も。そうした場合は、先ほどの唾液腺刺激も効果的です。
飲んでいる薬の副作用で唾液が少なくなっている場合もあります。今は100人に2人くらいの割合でかかっていると言われるうつ病の薬もその1つ。高血圧の薬など、年齢が高いほど飲んでいる薬も多くなるものです。そうした薬の副作用に「口渇」、つまり唾液が少なくなって口が乾きやすくなるという症状が入っていることがあります。口臭が気になる方で、もし今飲んでいる薬があるなら、一度その副作用を調べてみてはいかがでしょうか。もし他の薬で代用できるようなら、病院の先生に相談してみるのも手です。
以前は唾液を出す薬があったのですが、保険がきかなくなったことから生産もされなくなってしまいました。ただ、漢方で唾液の分泌を促すものがあります。苦い粉末の薬ですが、こちらは保険内で処方箋を出すこともできるので、気になる方は試してみても良いかもしれません。
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