危険な歯の詰め物がある?!セラミックと銀歯の違い
銀歯の詰め物を使うのは日本人だけ
詰め物をしなければならないほど、大きな虫歯ができてしまったあなた。「銀歯は目立つから嫌だなぁ」と嘆いている方もいるでしょう。銀歯は暗い口の中では実際よりも黒く見えるので、どうしても白い歯と並ぶと目立ってしまいます。「できればきれいなセラミックの歯にしたい!」と願う方が多いのではないでしょうか。
しかもこの銀歯という名の詰め物、実は日本特有のものだって知っていましたか? 以前、当医院にタイやフィリピンの方が患者さんとして来られたことがあるのですが、そのときも驚かれました。日本では保険診療の場合にこういった銀歯の詰め物をしますと実物を見せて説明したところ、「え、絶対に嫌だ!」と言われてしまったのです。
海外では、アメリカでもヨーロッパでも、詰めるとしたら金歯を使います。ご存知の方も多いと思いますが、金は生体親和性にとても優れた金属で、ピアスなどにしても金属アレルギーが出にくいと言われています。金歯を白い歯に並べたらやはり目立ちますが、日本以外の歯科医院ではそうした体に良いという理由があって使われているわけです。
さらに日本の銀歯は、固いものもバリバリとかめるように、できるだけ耐久性もあるようにと試行錯誤され、いろいろなものが混ぜられた金属の詰め物です。そこには、健康への悪影響が懸念される物質まで含まれていることが知られています。
問題視されている詰め物の成分とは
天然の歯のようなきれいな仕上がりだけでなく、体にも良いと言われるセラミック。それに対して、健康への悪影響が懸念される保険の適用材料として有名なのは「アマルガム」でしょう。これは水銀が使われた合金で、以前は日本の保険歯科治療の銀歯として一般的に使用されていました。かなり昔に治療した銀歯があるという方は、このアマルガムが使われている可能性が高いと思います。水銀というだけで恐ろしいような気がしますが、スウェーデンなどでは30年も前から妊婦にアマルガムを使うこと禁じているほど問題視されている代物です。
保険診療では現在も使われている「パラジウム合金」の銀歯も問題がありそうだと言われています。よく指摘されるのが、発がん性。金属アレルギーを起こす原因になっているのではないかとも言われます。世界の歯科の中でも最先端をいくドイツでは、このパラジウムを歯科治療に使うと逮捕されてしまうのだとか。そんなものが日本では保険適用材料として奨励されているのですから、怖い話ですよね。
パラジウムなどの詰め物は、日本が貧しかった戦後に金の代用品として使われ始めたのが最初のようです。口の中でできるだけ変色せずに、さびたりもせず、固くて丈夫、しかも加工しやすい金属ということで選ばれました。しかし、こんな材料を使うのは世界でも日本だけ。海外でパラジウムといえば、自動車の部品としてのほうが有名です。「自分がしてほしい治療」をモットーとしている当医院では、このアマルガムやパラジウムを使った詰め物は患者さんに使用していません。
見た目にも、体のためにもおすすめなのは
歯科医として、やはり一番におすすめしたいのはセラミックです。セラミックは歯の詰め物やかぶせ物に使われる白い色をした歯科材料ですが、この色は自由に調整でき、あなたの歯に合った自然な色にすることができます。見た目からも選ばれることが多い歯科材料でしょう。
色みだけでなく固さも歯に近い陶材なので、かみ合わせる天然の歯にダメージを与えにくく、きちんとかめる強度を持ち合わせています。すり減ったりもしにくい強さがあります。またプラスチックなどとは違って、黄ばんだりニオイがついたりすることもほとんどなく、十分な耐久性があります。
なにより、金属アレルギーの心配がありません。セラミックは生体親和性がある体に優しい素材なのです。デメリットとしては、保険が適用されないために安価な銀歯などと比べて治療費が高くなってしまうことでしょう。しかし、将来的な安全や健康について考えれば、セラミックはぜひ虫歯治療時の選択肢に入れていただきたい歯科材料です。
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