Coの歯を自然治癒させる方法

2019年01月17日 虫歯

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ごく初期の虫歯は自然に治ります。ただし、条件があります。良い条件がそろえば虫歯は自然修復しますが、逆に悪い条件がそろえば残念ながら虫歯に進行してしまいます。歯科医院で行なう虫歯の検査結果でCo(シーオー)と判定された歯は、削って修復するのでなく、「要観察歯」として自然治癒させることを目指すのが基本です。ここでは、なぜCoになるのか、どうやったらCoが自然治癒するのかを解説していきます。

Coの歯を自然治癒させることは可能?

そもそもCoとは?

虫歯はその進行度合いによってC1~C4に分類され、状態が悪いほど数字は大きくなります。さらに健全歯からC1へ進む途中の前段階にCo(シーオー)があります。

Coは「要観察歯」とも言われ、歯が白く濁っているものの穴は開いない状態のため通常は、切削などの虫歯治療はせずに、歯科衛生指導と経過観察をして対処します。これはCo段階では自然治癒する可能性があるためです。

では、Coの自然治癒とは?

虫歯菌によって歯が溶かされ穴が開いてしまっている状態であるC1~C4をデンタルカリエス(虫歯)と言いますが、この前段階、Co(シーオー)の状態に起こっている現象は、脱灰」により、イオンレベルで歯の表面構造の分子の安定が崩れた状態に進んだ結果です。

虫歯を自然治癒させるには、この脱灰と反対のことが起こればいいのです。つまり「再石灰化」です。再石灰化は、分子の安定が崩れた状態から元の健全な分子構造に戻る状態をいいます。

 

脱灰と再石灰化について

もう少し、詳しく話しますと、脱灰は食事の度に常に口腔内で起こっていることであり誰の口腔内でも同じことが起こっています。これは食物の糖分から栄養を摂取した細菌が活性化し酸を排出することによって口腔内が酸性に傾くことが原因なのですが、しばらくすると唾液の緩衝作用などによって酸性になった歯の表面は再び健全な中性へと戻っていくのです。この中性なっている時間帯に脱灰してしまった歯のミネラル(イオン)は元の分子に戻り、健全な歯の状態に戻っていきます。この現象を再石灰化が起こったといいます。

虫歯にならない人の口腔内では再石灰化がしっかり行われているといえます。

脱灰が進んでしまうと

では、再石灰化がうまく行なわれずに、脱灰が進むとどうなってしまうのでしょうか?

うまく再石灰化されずに、必要以上に歯が溶けると歯冠色の透明度は失われ白く濁っている状態になります。「ホワイトスポット」と呼ばれる事もありますが、この白い部分はCo(シーオー)の状態です。

Coはまだ虫歯ではない

Coの状態ではまだ歯に穴があいておらず歯の保存修復治療が必要のない段階です。しかし、健全歯ではなく、C1の一歩手前ですから、「生活習に問題がある」可能性は非常に高いです。逆にいえば、生活習慣の改善で、治せるチャンスの時期なのです。

歯科医院での歯科医師、歯科衛生士の指導を受けて下さい。自身での正しいセルフケアがとても重要となります。

この対応によって「脱灰の進行で歯に穴が開いてしまいC1となってしまう」のか、逆に「しっかり再石灰化させて自然治癒する」事ができるのかが変わります。残念ながらC1以上に進行してしまった場合には、もう自然治癒は望めないので歯科医院での虫歯治療を受けて下さい。

 

Coの歯を自然修復させる方法はあるのか?

ここまでに、必要以上に脱灰させないことと、しっかり再石灰化させることが虫歯予防に直結しているという事がわかりましたね。

ではどうしたら「Coの歯を自然修復させることができる」のでしょうか?自身で行えるCoを自然治癒させる方法をお教えします!

Coの歯を自然治癒させる4つのこと

1;しっかりブラッシングすること

皆さんもご存じのようにブラッシングをしっかりおこなうことは虫歯予防やCoの自然治癒には欠かせないことです。口腔内が常に汚れている環境では食事を摂取していなくても酸性の状態ですので脱灰が起きている状態なのです。
酸を産生する口腔内細菌を減らすことはとても効果的です。ブラッシングによりプラークを除去し口腔内の汚れをしっかりと落とすしことで、細菌は数を減らしていきます。さらに僧毒消毒効果のある洗口液を使用することで口腔内を殺菌すれば、水だけの洗口よりも最近の増殖を抑える効果があることがわかっています。

2;食生活改善

糖分を多く含んだ飲食物などの糖分を多く含んだ飲食物や炭酸飲料水を頻繁に摂取するのは、歯にとって悪い事だというのは皆さんも知っていることでしょう。ではどうして歯に悪いのかご存知でしょうか?

・糖分を多く含んだ飲食物

糖分を摂取することでそれをエサにし口腔内に潜伏している虫歯菌が活性化し酸を排出することで歯が溶けだします。糖分を多く含んだ飲食物自体が歯を溶かすことはないですし、生活のエネルギー原として糖分は体に必要な栄養素の1つですので摂取しないわけにはいきませんね。
ですから、糖分の摂取を控えるのではなく摂取の仕方を変えことが虫歯予防には効果的です。摂取した後はしっかりとブラッシングを行うなどして口腔内の中和を手助けすることができれば糖分の摂取による脱灰を防ぐことが出来るわけです。

 

・酸性の強い飲食物

「糖分を多く含んだ飲食物」では、増えた細菌が酸を出して歯を溶かしていましたが、この「酸性の強い飲食物」では、酸性度の強い液体そのものが直接的に歯のエナメル質や象牙質を溶かしてしまうのです。これを「酸蝕症」といい、虫歯とは分けて関上げられています。

対象となる酸性の飲食物というのは、炭酸飲料水の他、スポーツドリンクや乳酸菌飲料、飲むヨーグルトなども含まれます。身体に良いイメージのあるものも含まれているので注意して下さい。

商業的に大量生産される飲料水に食中毒を出さないように細菌が繁殖できないほどの酸性にしてしまうという手法が取られています。企業を守る名案ですが、歯を守ることはできませんので、酸性の強い飲みものにより健康被害を出さないように自分で気を付けて下さい。

さて、このような酸性に作られた清涼飲料水を長時間かけてちびちび摂取していると「酸蝕症」になってしまうリスクがより高まります。長時間歯を酸にさらす事になるからです。

清涼飲料水はおいしいですよね。人生の楽しみと考えている人もいると思いますので、我々も「炭酸飲料は一切の飲むべきでない」とまでは考えていません。

しかし、やはり摂取の仕方には注意が必要です。糖分と同様、酸性の飲食物も摂取すること禁止するのではなく摂取する時間をしっかりきめて摂取後はしっかりブラッシングをするようにしましょう。なお、「酸蝕症防止には、すぐに歯磨きをしない方が良い」という噂も流れていますが、これを肯定している専門家はいません。科学的根拠となる論文は一つもありませんので、変な噂は信じることなく、歯磨きをおこないましょう。

 

・正しい食生活とは?

甘いものや炭酸飲料水の好きな人はそれを禁止されてしまうとストレスですし長続きしませんね。息抜きとして摂取しても構いませんが摂取する時間はしっかり決めるようにしましょう。
歯科の観点からすれば摂取量には関係なく摂取時間が虫歯に関与してきますので「ダラダラ食い」や「間食」は避けましょう。食事をしている最中はずっと脱灰している状態ですので「ダラダラ食い」や「間食」が歯に悪い食生活だということが分かりますね。

ここで注意していただきたいのは糖分の含んだ飲料水なども間食に入るという点です。咀嚼していないし食べ物じゃないからとブラッシング後や寝る前に摂取してしまっては脱灰を促すことになってしまいます。また、糖分の含まれる飲料水をちびちび摂取するのも「ダラダラ食い」と同じことですので、水分を摂取するときには糖分の含まれていない水やお茶が最適です。

 

3.唾液の分泌を意識すること

唾液には様々な作用があり、刺激を受けると口の中の唾液腺開口部から分泌されます。抗菌作用のほか、酸性に傾いた口腔内を中和させる作用もあるので再石灰化を促すにはとても重要な役割を担っています。

そのため、唾液の分泌量が減ってしまうと虫歯になりやすくなります。分泌量の低下の要因は加齢や薬の副作用に関係している可能性もあります。これらは人工唾液を使用したり、医師に副作用の出現を訴えて薬を他の種類に変更してもらったりして対処すると良いでしょう。

また、唾液の分泌を促す効果のあるマッサージなどもありますので歯科医院に行って習ってみてはいかがでしょうか?

4.フッ素を取り入れること

フッ素には歯を強くする効果があるという話を耳にしたことがあるかた方は多いと思います。事実口腔内にフッ素イオンがあれば、再石灰化の際に歯はフッ素イオンを取りこみ、脱灰がしにくくなる丈夫な歯を作ることができます。

さらに、歯を再石灰化させる効力がありますので、Coになってしまった歯を健全な状態に癒させる効果を期待できます。

市販のフッ素入りオーラルケアグッズ(歯磨剤や洗口液など)を取り入れるだけでなく、定期的に歯科医院でフッ素を塗布することをオススメします。市販の歯磨剤よりも高濃度のフッ素を塗布することができ大きな効果が生まれるためです。市販のフッ素入り歯磨剤に含まれるフッ素の濃度は2017年2月までは、法律で上限が1000ppmまでに制限されていました。これは国際基準(ISO)よりも低い濃度でした。そのご、2017年3月になって、ようやく日本も国際基準(ISO)と同じ、フッ素濃度1500ppmを上限として配合された製品が、厚生労働大臣により承認されました。

フッ素入り歯磨剤の「1500ppmを超える高濃度のものは6歳未満の小児には使わせてはいけない」などの注意喚起がありますので、正しい指導を歯科医師、歯科衛生士から受けてから使用して下さい。子供に使わせたい場合は、多くの歯科医院では子供に使える高濃度フッ素入り歯磨剤を置いていますので、歯科医院に行って相談して下さい。

厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長らの通達文書はこちら

まとめ

こうしてみるとどれも簡単に日常に取り入れられることばかりです。虫歯になるのは、日常生活での習慣の積み重ねですので、正しい知識をもって、少し良い習慣に変化させるだけで口腔内環境が改善され、Coの自然治癒や虫歯予防につながるのです。

習慣ですので、決して難しいことではありません。身に付くまでは、意識的に行動を起こす必要がありますが、それが根付いて「生活習慣」になってしまえば、努力も苦痛のないのです。

歯は一生ものですので、この記事をきっかけに、歯の健康に良い生活を送ってみて下さい。

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