虫歯があってもホワイトニングできる?できない?
ホワイトニング技術が発達した現代
最近は虫歯治療や健診だけではなく、「ホワイトニングしてきれいな歯になりたい!」という思いで歯科医院を訪れる方も増えてきました。中には、「まだ治療していない虫歯もあるけど、まずは見た目をきれいにしたい!」なんていう方もいるかもしれませんね。
ホワイトニングというのは、歯の表面に付着した色素だけを落とすものではありません。歯の表面は傷つけずに、歯の中にある色素を分解して歯の明るさを上げ、白くしていくものです。昔は歯を白くするには表面を薄く削ってセラミックを被せる方法しかありませんでしたが、今はこのホワイトニング技術が発達したおかげで自分の歯を白くすることができるようになりました。
確かに白い歯は素敵な笑顔を演出してくれます。ただ、もしもあなたが虫歯治療よりホワイトニングを優先しようとしているのなら、それは難しいでしょう。歯科医に相談しても難色を示されるかと思います。「えー! なんでダメなの?!」と不満に思われる方に、今回はその理由についてお話ししたいと思います。
虫歯があってもホワイトニングできる裏ワザも?
まず「虫歯がある」ということは、「体に穴があいている状態」です。もしその虫歯の穴をふさがないまま歯の色を変えるようなホワイトニングの薬を塗ってしまったら。本来は表面だけに塗る薬なのに、体の中まで直接入ってしまうことになりますよね。体に悪いのは明白でしょう。
その仕組みがわかれば、ホワイトニングをしたいならまずは虫歯治療から行うのが鉄則であるということも、ご理解いただけるかと思います。でも、少し甘い言い方をすれば、それは「仮の治療」でも良いわけです。
その理論でいけば、たとえ虫歯の穴があいていたとしても、ホワイトニングをする時だけ完全に体の中と外が遮断できればいいですよね。もちろん最終的には虫歯の治療を完了することが大前提ですが、たとえば虫歯治療の途中、歯を矯正している途中などに、先にホワイトニングだけしておくことも可能です。虫歯の穴があいているところをざっと削って詰めてもらいさえすれば、体の外と中をつなぐ穴はなくなり、ホワイトニングの薬を塗ることができるのです。
虫歯の詰め物がある場合は注意!
虫歯がある方、または虫歯があった方がホワイトニングをする場合、もうひとつ気をつけなければならないことがあります。それは、歯に虫歯の詰め物がある場合。先にも説明した通り、ホワイトニングというのは歯に何かを被せるものではなく、歯そのものを白くする技術です。白くできるのは天然の歯だけ。つまり、虫歯の詰め物はそのまま色が変わりません。
セラミックを詰めている場合、治療時に歯科医はその方の天然の歯の色に合わせて自然な白い色を作ります。それをあとからホワイトニングで天然の歯の部分だけ白くしてしまったら、詰め物の部分だけ以前のままの色で浮いてしまうという事態に。
そうした失敗を避けるためには、計画的にホワイトニングを行っていく必要があります。虫歯治療をするなら、最終的にホワイトニングをするということを決めてからが良いでしょう。そうすれば、詰め物をするときにも最終的にホワイトニングされた歯をイメージして色を決めることができるからです。
「ホワイトニングがしたい!」と思ったら、まずはそのことを歯科医に相談して、そのうえできちんと虫歯も治していくこと。きれいな笑顔のためにも、ぜひ実践していただきたい治療計画です。
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