インプラントにはどんなリスクがある?危険性や副作用は?

2017年10月02日 インプラント

risuku

どんな歯科医にインプラントをお願いすべきか

骨に人工の歯根を埋め込むインプラント治療は、外科手術です。単に欠損した歯を補綴する治療ではできないことを可能にした画期的な治療なのですが、患者さんの中には「危険性はないの?」「副作用があるんじゃないの?」と、そのリスクを心配する声が聞かれることもあります。

もちろんインプラントは外科手術ですから、リスクを回避するためには歯科医の技術が高いに越したことはありません。私が歯科医になって初めてインプラント治療の講習を受けた頃には、まだほとんど知られていない治療法でした。当時は新宿の河津寛先生くらいしか本格的なインプラント治療をされている歯科医を知らず、河津先生に手紙を書いて手術の見学をさせていただいたものです。

今では日本中でインプラント治療が行われ、その内容も多様化しています。インプラントの技術も日々進歩していますから、もし私が患者としてリスクを考えるなら、やはりしっかりインプラントについて勉強されている先生にお願いしたいものです。たとえば、「学会でこんなことを発表しました」と書かれている研究熱心な歯科医なら、それだけ勉強していると言えるのではないでしょうか。

バスタブカーブを描くインプラントのリスク

具体的に、危険性や副作用はあるのか。リスクとしてインプラントにはどんなトラブルが考えられるのかも説明していきましょう。

「バスタブカーブ」と呼ばれるものをご存知でしょうか。これは電気製品などの故障率や失敗率の評価に用いられるグラフです。横軸が時間、縦軸が失敗率を示すもので、最初にトラブルのリスクが高いとき、つまり失敗率が高いのは出荷直後となります。家電製品などが保証期間を1年設けているのも、この初期不良が一番多いため、それは交換してしまおうという考え方からきているのだと思います。

そこから安定期に入り、トラブルの少ない期間が続きます。そしてその商品の耐久年数が終わりに近づいてきたところで、また初期と同じくらいトラブルが増えてくるというわけです。その失敗率のグラフの推移が、ちょうどバスタブをイメージさせる形になっています。インプラントもこれと同じようなリスクの推移をたどると言えるでしょう。

まずはバスタブカーブの初期、リスクが高いときには外科手術を失敗する危険性があるわけです。インプラント埋入時の周囲組織への損傷、骨に結合する際のリスク、万が一器具が破損したりすれば、それを患者さんが誤飲する危険性もありますし、手術後に合併症を起こす可能性だってゼロではありません。

こう書くと恐ろしいようですが、どんな外科手術も100%成功が約束されているわけではないですから、リスクや危険性を挙げればいくらでも挙げられます。そんな危険性をできるだけなくし、副作用など起こさないように、歯科医も日々技術を磨いて努力しているのです。

虫歯にならないインプラントも、歯周病のようになる可能性が

インプラントもバスタブカーブの安定期にはリスクが少なくなるわけですが、患者さんがしっかり毎日歯磨きをして清潔にしているかどうかもそれを左右します。口の中を不潔にしていると歯ぐきにも炎症が起こりますから、当然そこに埋入されているインプラントにも悪影響があるでしょう。

インプラントを埋入したところには歯が無いわけですから、虫歯や歯周病はのリスクはありません。しかし、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎といった歯周病に似た症状が起こることが報告されています。

また、定期的な歯科医による検査で不具合を早期発見することが、インプラントのリスクを減らすことにつながるという論文も発表されています。患者さんには自覚症状がない段階でも歯科医には発見できるリスクがありますから、インプラントをされたらちゃんと定期健診をされることをおすすめします。

インプラントは比較的新しい技術なので、患者さんが危険性や副作用を懸念されるというのも理解できます。しかし、飛行機に乗る方なら墜落事故にあう可能性が0%ではないのと同じで、インプラント治療を受ける以上、受けたことによるリスクがあるのは不可避です。それよりもインプラント治療だからこそ得られる成果のほうがはるかに大きいものだと思いますので、そのどちらをとるのかぜひ考えてみてください。

 

 

コメント..

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント
お名前 *
メールアドレス *

PAGE TOP