あなたにピッタリの矯正とは。多種類の矯正治療装置を比較
矯正装置の種類には、歯にブラケットといわれる金属やセラミックを貼り付け、そこにワイヤーを通して、歯を動かす方法を中心に歯科矯正治療装置は、目的に応じて多種類存在します。
成人矯正
ワイヤー矯正（金属ブラケット）
・特徴…金属のワイヤーとブラケットを使用する矯正方法です。
歯の表面に装置を装着して歯を動かしていきます。
×審美性…近年小型化されてきている金属ブラケットですがやはり他の装置と比較すると
目立ってしまい審美性があまりよくありません。
△装着感…装着してから慣れるまでに時間がかかるものの、裏側矯正と比較すると違和感の差は少ないかと思います。
△清掃性…矯正装置が複雑な形態をしているため、歯磨きが少し難しい点があります。
しかし、矯正装置は全て表側に装着しますので鏡を見ながら磨けば心配いらない程度です。
◎強度 …金属を使用しているため強度があり歯面と強度に接着も可能である。
◎費用 …ほかの装置と比較すると安価であるため治療費を押せることが出来ます。
※症例を選ばず多くの不正咬合の症例に対応することが出来る矯正方法です。
※ワイヤーやバネ、ゴムなどの力を利用して行う矯正方法で、歯にしっかりと矯正力を加えることが出来るためマウスピース矯正と比較すると治療期間が短縮できます。
※金属を使用しているので、金属アレルギーの心配があります。気になる方は別の方法を選択されることをおススメします。
ワイヤー矯正（審美ブラケット）
・特徴…歯冠色のセラミックや透明のレジン（プラスチック）などのブラケットを使用して行う矯正方法です。歯の表面に装置を装着して歯を動かしていきます。
△審美性…ブラケットが目立たないものに変わっただけでも審美性の変化はとても大きいです。ただ、ワイヤーに銀色のものを使用するのでそれが目立ってしまいます。
△装着感…装着感に関しては上記の金属ブラケットと変わりありません。
△清掃性…清掃性に関しても上記の金属ブラケットと変わりありません。
△強度 …金属ブラケットと比較すると多少強度が弱くなります。特にレジンの場合はすり減ったり変色したりすることがあります。
△費用 …金属ブラケットと比較すると費用はやや高めになります。
※多くの不正咬合の症例に対応できます。
ワイヤー矯正（ホワイトワイヤー）
・特徴…金属ブラケットを審美ブラケットにするだけでなく、白いワイヤーを使用して行う矯正方法です。歯の表面の装置を装着して歯を動かしていきます。
◎審美性…歯の表面に装置を装着して行い矯正方法の中では、最も目立ちにくい装置です。
△装着感…装着感に関しては上記の金属ブラケットと変わりありません。
△清掃性…清掃性に関しても上記の金属ブラケットと変わりありません。
△強度 …強度に関しては上記の審美ブラケットと変わりありません。
△費用…上記の審美ブラケットと比較して使用しているワイヤーが銀から白に変わった分の料金が多少高くなります。
※ホワイトワイヤーのコーティングが剥げてくる場合があります。
裏側矯正
・特徴…矯正装置を歯の裏側に装着して行う矯正方法です。
◎審美性…表側から矯正装置は見えることはほとんどなくとても自然であるため、他人から矯正期間中であることを気付かれにくいです。
×装着感…矯正装置が根に舌に当たっている状態で食事や発音がしずらいことがあります。
矯正装置と擦れた舌の口内炎が良くできることもあり少し苦労するかもしれません。
×清掃性…ただでさえ歯磨きしにくい裏側に複雑な形態をしている矯正装置を装着するので、歯磨きはとても難しく鏡を見ながら時間をかけてしっかりと磨き必要があります。また歯科医院で衛生士さんに磨き方のコツなどを教わるのもいいかもしれませんね。
◎強度 …最初にご紹介したワイヤー矯正を裏側に装着したこの矯正方法では、使用する金属ブラケットやワイヤーは材質が一緒であるため強度に大きな差はなく丈夫です。
×費用 …矯正装置を歯の表面に装着する矯正方法よりも治療が難しく時間や手間がかかることから、裏側矯正の方が値段設定が高くなっています。
※高い治療技術が必要となるため裏側矯正に対応している矯正歯科医院は少ないです。
※慣れるまでが違和感が大きく苦労するかもしれません。覚悟を持って治療選択をしましょう。
マウスピース矯正
・特徴…ワイヤーやブラケットを使用せずにマウスピースは歯を引っ張る力を利用した矯正方法です。歯に歯冠色のボッチをつけて採れを引っ張るように設計されたマウスピースを素着して歯を動かしていきます。
◎審美性…ワイヤー矯正と比較してとても自然で他人から矯正期間中であることを気付かれにくいです。
◎装着感…ブラケットのような複雑な形態をした矯正装置を使用しないので、マウスピースを口腔内にはめていても大きな違和感はなく快適に生活出来ます。
◎清掃性…矯正に使用するマウスピースもしっかりと清掃シナケレバならないわずらわしさがあるものの矯正装置自体が複雑な形態をしていないので他の矯正方法と比較して歯磨きしやすいです。
△強度 …歯牙に装着するボッチが取れてしまうことがありますが、容易に再度装着が出来るので安心です。マウスピースは装着したまま食事してしまうとすり減ってしまうので外しての食事になります。
×費用 …ほかの矯正方法と比較して高い値段設定となっている場合が多いです。
※これまで紹介してきた歯列矯正治療は、担当の歯科医師が調整や装置の着脱をするのに対して、マウスピース矯正では患者自身で装置の取り外しを行います。食後に必ず歯磨きとマウスピースの清掃を行うことやマウスピースの着脱に苦労を掛けるかと思いますが、現在行われている矯正治療法の中で最も目立ちにくいマウスピース矯正は若い世代をはじめ、成人矯正で人気が高い矯正治療法です。
※複雑で難しい歯列の矯正治療や咬合を大きく改善するような矯正治療には向いておらず、前歯部のちょっとした叢生や捻転などにオススメの治療法となります。
小児矯正
小児歯科では子供の成長に合わせ必要に応じた矯正装置を使用します。
種類は様々ありますが、主に「顎の成長を促進させる装置」や、「吸指癖や弄舌癖などの子供の癖によって歯列が乱れるのを防ぐ装置」「虫歯などで早々に歯がなくなってしまった場合には後継永久歯が生えてくるまでの間にそのスペースの確保をしておく矯正装置」などがあります。
具体的には、床矯正、マウスピース矯正のインビザラインティーン、ヘットギアなどの顎外装置などです。
生え変わりの時期は顎の成長とともに歯列も変化していきますが、永久歯が生え揃う頃には大体の歯列が決定します。歯列矯正の治療開始年齢は若い方が歯は動かしやすいことと、骨の成長の方向のコントロールもできますので早めに矯正歯科に相談に行くことをおススメします。
相談は、早めがおすすめですが、叢生と診断されたら矯正治療開始が早いほど良いとはいないのでご注意ください。詳しくはこちらをご覧ください。「子供の矯正は早い方が良いのか？」
保定装置
歯列矯正治療とは、理想的な位置に歯を動かして、それで治療完了ではありません。
なぜなら、歯は動くからです。これは小児矯正でも成人矯正でも同じことが言えます。理想な位置に移動した歯がその後元の位置に戻るとするのです。せっかく時間をかけて歯列矯正したのに、後戻りしてしまったら悲しいですよね。そこで、安定するまでの間その最終的な歯列に位置に補綴します。
そこで使用するのがリテーナー（保定装置）です。マウスピースのようなものや、ブラケットとワイヤーを使用したものなど種類は様々あります。
では一体どのくらいの間保定が必要なのかというと、それについての論文によれば歯列矯正にかかった年数分という意見や半年という意見、はたまた一生という意見もありますが、当院では半年を目安にと患者さんにお伝えしています。
まとめ
それぞれの治療法にはやはりメリットデメリットが存在しますので、それを考慮しながら治療選択されることをおススメします。また、歯列や口腔内の状態によって向いている方法と向かない方法がある場合がありますので、担当の歯科医としっかり治療相談してから治療法を決定するようにしましょう。
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