矯正期間中は虫歯になりやすいって本当?その疑問歯科医がお答えします!

2018年07月25日 矯正, 虫歯

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「矯正すると虫歯になる」って本当でしょうか?確かに歯科矯正の期間中には虫歯になりやすい要因が重なります。どんな要因があるのか、どの点に気を付ければ、虫歯にならずに済むのかを解説いたします。

矯正期間中は虫歯になりやすいので要注意!

・歯磨きが難しい

矯正治療の期間中は、治療の方法にもよりますが様々な矯正装置が口腔内に装着されます。
矯正器具が装着された歯冠と装着されていない歯冠では歯磨きのしやすさや仕方が異なります。なかでも、ワイヤー矯正で使用するブラケット(歯に接着する矯正装置)は形が複雑ですので、これが歯磨き難しくさせる要因となります。

・唾液の流れが悪くなる

頬側に装着された矯正装置によって唾液の流れが悪くなると、自浄作用がうまく働かず虫歯になりやすくなってしまいます。矯正装置がついていないときには、歯の周囲の粘膜が口の動きに合わせて、歯の表面をこすります。これで歯の汚れが取れるわけではありませんが、唾液の流れを助けてくれるのです。唾液には自浄作用のほかにも、歯冠の再石灰化を促す効果や殺菌効果などがあるのです。この唾液の流れが悪くなることでそれらの働きが鈍ってしまいますので、結果虫歯になりやすくなってしまうというのです。

・食物が詰まりやすい

上記の2項目が生じることで、食べかすが詰まったり磨き残しが出たりします。特に虫歯菌のエサとなる糖分の残留は虫歯の発生に直結してしまいます。

このような理由から、矯正期間中は虫歯リスクが高い状態といえます。ただ、矯正期間中で虫歯リスクが高いことを自身で理解し、虫歯予防をしっかり行えば虫歯リスクを減らすことが出来ます。では自身で行える虫歯予防とはいったいどんなものがあるでしょうか。
下記でご紹介していきます。

矯正期間中の虫歯予防

・歯磨きは徹底して行う

矯正していない口腔内と比較して、虫歯になりやすい矯正期間中の口腔内は虫歯になりやすい環境であるため、歯の清掃はしっかり行う必要があります。

・間食の禁止

矯正期間中に限らず、間食は虫歯の原因となります。特に矯正装置がついている口腔内では食べカスが詰まりやすく、唾液の流れが悪いことでそれらの食べカスがうまく自浄されないため、虫歯予防を考えると間食は好ましくありません。

・飲料に糖分の含まれているものの摂取は禁止

糖分の含まれている飲料を摂取するのも間食です。摂取する場合には食事中や決まった時間に摂取しその後はしっかり歯磨きするようにしましょう。こまめに摂取する飲料には糖分の含まれていないお茶や水が良いでしょう。

・フロスや歯間ブラシなどのオーラルケアグッズを使用する

複雑な形態をした矯正器具が装着された口腔内を清掃するには歯ブラシだけでは不十分な場合があります。歯ブラシの毛先が行き届かない歯冠や矯正器具の細かいところには用途に合った道具を使用しましょう。

歯間を磨くときには歯冠ブラシを使用し、細かなところのブラッシングにはタフトブラシやインターデンタルブラシを使用すると便利です。また、フッ素は虫歯予防に効果的なことからフッ素入りの歯磨き粉を使用すると良いでしょう。歯磨き後は洗口剤を使用して口腔内を消毒することで口腔内細菌をコントロールすることも虫歯予防に効果的ですのでオススメします。

・定期的に検診を受ける

定期健診では、プロの目で虫歯の有無を確認しますので、自分では気づかなかった小さな虫歯も早期に発見することが出来ます。また、専門の器具を駆使して歯の清掃も行いますので、普段しっかりブラッシングしていても取り切れない汚れを除去してもらいましょう。

 

定期的にフッ素も塗布すれば虫歯予防に高い効果が期待できます。

・電動歯ブラシをお使いの方は使用方法に注意が必要

現在市場では様々な電動歯ブラシが出回っており、当て方や動かし方などの使用方法
も商品によって様々です。使い手側がその商品に合った正しい磨き方でブラッシングを行えれば、高い清掃能力を発揮する電動歯ブラシですが実際は使いこなすのが難しく、使い手側のブラッシング技術によっては手磨きよりも清掃性が劣ってしまうこともあるのです。

ですから、電動歯ブラシを現在ご使用の方は自身の電動歯ブラシをお持ちになって歯科医院で口腔内清掃のプロである歯科衛生士の指導のもと、正しい電動歯ブラシの使用方法や磨き方のコツを学ぶ必要があります。

まとめ

歯の矯正治療中に虫歯になりやすい要因は3つです。矯正に使うワイヤーやブラケットが歯磨きが難くさせること。唾液の流れが悪くなること。プラークの取り残しや食物が詰まりやすくなるなどして不潔になりやすい事などです。

矯正中に虫歯になることを防ぐ方法は、頻繁な歯磨き、間食の制限、インターデンタルブラシなどのオーラルケアグッズを正しく使う事です。このとき、歯科衛生士の指導を受けて、それを実行して下さいね。

「虫歯になるのが嫌だから歯科矯正治療はしない」という考えの方がいらしたら、そのような心配はせずに、歯の矯正治療の相談に行ってみて下さいね。

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