あの芸能人も治療中?裏側矯正のメリットとデメリット
裏側矯正をすることの最大のメリットとは
歯科治療を進める中で矯正の必要が出てきたとき、ときどき患者さんから聞かれるのが「裏側矯正って、できるんですか?」という質問です。矯正について少し調べた方なら、「どうやら歯の裏側に器具をつけて、目立たない矯正をすることができるらしい」という話を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
結論から言うと、歯科医としては正直、あまり裏側矯正はおすすめしません。どうしてもという患者さんだったら、一部には口の中の形状の問題で不可能な方がいますが、多くは裏側矯正をすること自体は可能です。歯の裏側に器具を装着しても、通常の表側に装着しても、効果としては大差がありません。裏側にしたからといって矯正の治療期間が延びるわけでもありません。それでも、だいぶデメリットのほうが大きいと思うのです。
裏側矯正の最大のメリットと言えば、「見えにくい」ということでしょう。患者さんがみなさん矯正で気にされるのはやはり見た目ですから、このメリットは確かに大きいと思います。ただ、もしそれだけの理由で裏側矯正をしようと考えているのなら、他にもっといい矯正方法がありますから、私の患者さんだったらそちらのやり方をおすすめします。
アイドルやモデルなど芸能人には裏側矯正をされる方も
もともとはそんなに知られていなかった裏側矯正を患者さんが自ら希望されるようになったのは、恐らくテレビなどに出ている芸能人の方々の影響が大きいでしょう。最近では、AKB48の指原莉乃さんやモデルの本田翼さん、タレントのマツコ・デラックスさんなども裏側矯正をされているとインターネットで話題になっています。
アイドルやモデルの方など、人目が気になるお仕事をされている方には、「見えにくい」というメリットがとても大きいのでしょう。大きな口を開けて笑ったりしたときにチラリと見える程度で、気をつけて写真を撮る時などには見えないですから、裏側矯正の装置が重宝されるというのもわかります。
ただ、指原莉乃さんなどは歌手活動もされていますし、テレビでお話をすることも多いですから、よく我慢しているなぁと感心してしまいます。たとえば、そこまで見た目を気にされないと言うと語弊がありますが、しゃべりが命である芸人さんでは、特に男性の場合、裏側矯正はあまり選ばれないのではないでしょうか。
おぎやはぎの矢作兼さんや、とにかく明るい安村さんなども矯正をしていますが、歯の表側に矯正装置のブラケットをつけ、ワイヤーを通して治療されていました。お2人ともブラケットは金属ではなく、透明や白の目立たないタイプのものを選ばれているようです。
見えにくい裏側矯正の大きなデメリットとは
患者さんにとっては唯一「見えにくい」というメリットがある裏側矯正ですが、歯科医からするとあまりメリットはありません(笑)。歯の裏側に矯正装置をつけるわけですから、施術もそれだけ難しいものとなります。その上、患者さんにとってもデメリットが大きいのが裏側矯正なのです。
モデルなどのお仕事をされていない一般の方が裏側矯正をするには、かなり覚悟が必要です。簡単に言うと、「とにかく辛い!」のです。指原莉乃さんも、その痛みから握手会を中断する事態にまでなったとか。こんなツイッターが話題になっていました。
実は矯正のワイヤー的なものを太くしたら舌が痛くて😭握手あまり元気に喋っておりません😭気持ちは元気なので、、ごめんね😭
— 指原 莉乃 (@345__chan) February 18, 2017
ごめんなさい、舌がズタボロで、、一部休憩させてください。。次の部は出ます。
このあとのスケジュールご都合が合わない方、本当にごめんなさい。。
— 指原 莉乃 (@345__chan) February 18, 2017
「矯正の痛みくらいで握手会を中断するなんて!」と憤慨したファンもいたようですが、裏側矯正をしていたらあり得ることです。裏側矯正は「舌側矯正」とも呼ばれますが、まさに舌側に矯正装置を付けるものですから、舌が痛いのは当然と言えば当然のこと。頬側にある一般的な矯正でも多少痛みがあるのに、舌側はもっと繊細ですから、彼女が「舌がズタボロで」と泣きを入れるのも無理はありません。裏側矯正は口内炎もひどくなる傾向にあるようです。患者さんのためにも、歯科医としてはやはりおすすめできない矯正方法でしょう。
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